【AIエージェントに渡す情報の設計をLangChainが解説】
LangChainはブログで、AIに渡す情報の設計「コンテキストエンジニアリング」を検索から解説した。一度に扱える情報量には限りがあり、非効率な検索、情報の詰め込み、無関係・古い情報の混入が課題になる。
同社のエージェント実行基盤「Deep Agents」はglobでファイル名、grepで本文を検索し、read_fileで既定100行ずつ読む。約20Kトークンを超えるツール結果はファイルへ退避し、パスとプレビューを渡す。
同社は独自の検索ツールでも、結果を保存してパスを返し、別のAI(サブエージェント)に読ませて要点と出典を受け取る構成を勧めている。
取得内容は指示として扱わない。指示文や区切り方だけでは悪意ある指示への追従を防ぎ切れない。同社は想定した出典が引用され、主張がその内容と一致するかの確認を勧めている。
Context Engineering (Agent Memory) for AI Agents Starts with Retrieval - LangChain Blog👇
langchain.com/blog/context-e…
【Letta、AIが経験を次の課題に生かせるかを測るベンチマークを公開】
AI研究企業のLettaが「FrontierMemory 1.0」を公開した。過去の作業記録から記憶を作り、次の課題に生かせるかを測る。既存のベンチマークを基にした15課題で、作業の決まり、ユーザーの好み、環境の特徴を学ぶ力を調べる。記憶作成は最大6時間。
モデル比較では、記憶を作る仕組み「Letta Dream」と、記憶を使って課題を解くコーディングエージェント「Letta Code」を使用。解答役にはOpus 5.5とGPT-6 Solを使い、考える量の設定を最大にして、2モデルのうち高い達成率を成績とする。
記憶を作るモデルがOpus 5.5またはGLM-5.3なら73.3%、GPT-6.1 SolまたはGemini 4 Argonなら60.0%となった。
Lettaは、Prime IntellectのAIエージェント「Prime Agent」とも比較した。記憶作成と解答にOpus 5.5を最大設定で使い、15課題を各1回解いた達成率は、Letta DreamとLetta Codeの組み合わせが73.3%、Prime Agentが60.0%。
今回の比較では、同じモデルでも、記憶を作って使う仕組みごとに達成率が異なっている。
【画像生成用トークナイザーを生成モデルで学習、演算量を約7分の1と予測】
スタンフォード大学などの研究者が、画像を特徴表現に変換するトークナイザーの学習手法RePRを提案した。査読前論文。
画像の一部を隠し、別の部分を手掛かりにした場合としない場合の予測誤差の差を生成モデルで推定。これを特徴表現の学習に使う。
生成モデルの規模と学習量を揃え、著者らは学習演算量と生成性能の関係を分析。実験で得た傾向を延長した試算では、画像データセットImageNetで特徴抽出モデルDINOv2並みの生成性能を約7分の1の学習演算量で得られるという。文章付き画像データGPICでは、特徴抽出モデルWebSSLに対して約8分の1と試算している。
トークナイザーと生成モデルの合計学習演算量をほぼ揃え、ImageNetの256×256画像を生成。生成内容を調整する誘導を使った評価では、RePRを組み合わせた生成モデルJiT-LのFID-50K(低いほど良い画像評価指標)は2.18で、JiT-L単独の2.36を下回る。
Generative Representation Learning for Scalable Latent Tokenization - arXiv👇
arxiv.org/abs/2610.20533
【データベースの採点を強化学習の報酬に、20回すべて成功したタスクが38件から107件に】
MicrosoftとHugging Faceは共同ブログで、AIを動かす環境ThinkingBoxを使い、Qwen3.8-27Bを強化学習した結果を公開した。
学習対象のQwenの処理結果を、ThinkingBox内のプログラムがデータベースの最終状態から採点する。データベースだけで確認できない回答内容は、別のAIであるGPT-5 Chatが判定を補助。成功1・失敗0をQwenの学習報酬にする。
両社は評価用507件とは別に学習用187件を選び、同じタスクを複数回試した報酬を比べるGRPOでQwenを50ステップ更新した。
学習前後で507件を各20回実行すると、平均成功率は51.70%から60.78%に上昇。1回以上成功したタスクは453件から446件に減った一方、20回すべて成功したタスクは38件から107件に増えている。
Turning Database Grading into RL Rewards: Post-Training Agents with ThinkingBox - Hugging Face👇
huggingface.co/blog/microsof…
【Trainiumでのモデル動作を調べるWebアプリ】
Hugging Faceは、AWSのAIチップTrainiumでのモデル動作を調べるWebアプリを紹介した。
テストではTrainium2チップ最大4個(16コア)で32トークンを生成する。実行結果がPASSなら、モデルの読み込みと短い生成処理が完了したことを示す。ただし、生成文を検証できていない場合もあり、速度や長文生成の動作は保証しない。
モデルごとの判定とテスト環境、実行コードを確認でき、同じ条件で試せる。
Does Your Model Run on AWS Trainium? Look It Up - Hugging Face👇
huggingface.co/blog/torch-ne…
torch-neuronx model support - Hugging Face👇
huggingface.co/spaces/aws-ne…
aws-neuron/torch-neuronx-model-support - Hugging Face👇
huggingface.co/datasets/aws-…
【ClaudeのチャットとCowork統合版がEnterpriseで一般提供】
Anthropicが、チャットと、ファイル操作や資料作成を任せられるCoworkの統合版をClaude Enterprise向けに一般提供開始。
Claudeは同じ会話で質問に答え、必要ならAnthropic管理のクラウドでコード実行やファイル操作を進め、文書や分析、スライドを作成する。PCを閉じても作業は続き、Web・デスクトップ・モバイルで再開できる。
管理者は役割別に利用可否と使えるモデルを設定できる。Sonnet・Haikuだけを使う「Efficient mode」、組織・グループ・個人の支出上限も設定可能。
コード実行などの作業は会話ごとに独立した仮想マシンで行い、そこからの外部通信は既定で無効。
導入は管理者が組織設定から有効化する方式。データを保持しない設定、医療情報保護法HIPAAへの対応設定、顧客管理の暗号鍵を使う組織は現在対象外。
Claude Cowork and chat come together for Enterprise - Claude by Anthropic👇
claude.com/resources/article…
【OpenAI、10億人超を支えるストレージ基盤の拡張手法を公開】
OpenAIは公式ブログで、40地域の10億人超を支えるデータ保存基盤「Habitat」の拡張手法を紹介した。中核にはMicrosoftのデータベースサービスAzure Cosmos DBを使う。
用途別に格納先を分ける方式では各チームの容量計画が課題となり、再び共有する方式へ移行。Azureチームと協業し、負荷の集中先を優先的に制限する仕組みや、一括登録などの処理より利用者向けの処理を優先する制御を導入した。
読み取りは全リクエストの90%超。重要データの地域間複製、頻繁に使うデータを処理する場所の近くに一時保存するキャッシュ、プログラミング言語Rustへの書き換えにより、世界全体の読み取り時間の中央値を約120msから約10msへ短縮したと報告している。
Rapidly scaling online storage to serve over 1 billion ChatGPT users (Part II) - OpenAI👇
openai.com/index/scaling-sto…
【Moonshot AI、1Mトークン対応の「Kimi K3.1 Pro」を発表】
AIモデル「Kimi」を開発するMoonshot AIが、K3の追加学習版を発表した。3兆パラメータ級で、一度に扱える文脈は1Mトークン。
端末での開発作業を測るTerminal-Bench 4.0では、同社が開発支援ツールClaude Codeで評価し65.7%。他社の公表値はGPT-6 Astraが58.2%、Claude Opus 5.5が66.4%。
同社は画像から3D形状を再現するBenchCADも評価。抽出した1,000件でツールを使い、形状の重なりの指標で92.7%。財務資料を画像で読み解くOfficeQA Pro v2は64.4となっている。
同社は脆弱性を悪用する能力を抑えるため、中間学習と強化学習からサイバー関連データを除去したと説明している。社内評価では、3回以内に攻撃に成功した問題の割合が、対策なしのモデルの90.5%に対して81.0%となっている。
Kimi CodeやAPIで提供中。モデルの重みは11月4日までに公開するとしている。
Kimi K3.1 Pro Tech Blog: Advancing Open Intelligence👇
kimi.ai/blog/kimi-k3-1-pro
【複雑な記憶管理は必要か、会話履歴の検索が7設定中6設定で首位】
西安交通大学などのチームが、会話履歴を検索して回答する「RAW-RAG」の査読前論文を公開した。履歴を要約・書き換えず、質問との意味の近さで探し、関連度で並べ直した内容を大規模言語モデルへ渡す。
著者らは長期記憶を測る4つの公開ベンチマークで、Mem0など12の記憶システムと比較。ベンチマークと回答モデルを組み合わせた7設定中6設定で最高スコアとなり、次点を0.13〜5.53ポイント上回った。全文を直接渡す方式は順位から除いている。実際の対話や画像・音声を扱う場合の性能は未検証。
回答に十分な根拠が得られた質問の割合は、MemoryAgentBenchで45.29%、MEMEで76.35%と比較対象中で最高。著者らは、答えとなる値だけでなく、出来事の順序や状態が変わる条件も残すことが重要と結論づけている。
Is Complex Agentic Memory Always Needed? Naive RAG Is Stronger Than We Thought - arXiv👇
arxiv.org/abs/2610.30755
【端末内で動くコーディングAIモデルFlintを公開】
AI研究企業Recursiveは、コーディングモデルFlintを公開した。398億パラメータのうち、1トークン(文字列の処理単位)の生成に約25億を使うMoE方式を採用。
同社がFlintにツールを使わせ、各課題を5回以上試した平均成功率は、Terminal-Bench 2.1で54.9%、SWE-bench Pro v2で89.7%、SWE-bench Verifiedで74.2%。
同社の最適化エンジンによる測定では、扱う文章量が少ない条件でM4 Pro搭載MacBook Proが毎秒125トークン超、64GBのNVIDIA RTX Sparkが150トークン超を生成。
同社は自動AI研究システムEureka Machineを活用し、Flintを4カ月未満で構築したと説明。重みはApache 2.0ライセンスで公開中。
Introducing Flint - Recursive👇
recursive.com/updates/introd…
RecursiveSI/flint - Hugging Face👇
huggingface.co/RecursiveSI/f…










