『草原の輝き』は初めて主役をもらったので緊張のしっぱなし。余裕なんか少しもありませんでした。汗はびっしょり、足はガタガタ震える。でも周囲の先輩方がいい人たちばかりだったので、演技やアテレコの技術などいろいろ教えてもらいました -富山敬
声優のネームバリューだけ重んじられ、力があるのに出演チャンスに恵まれぬ人たちが多い。一方では、未熟ながら若い人たちがどんどんアテレコをやっているのも現状だが、充分に訓練の受ける時期のなかった彼らが先へ行ってどうなるか不安だ -仲村秀生
普通では出せないような声だったら売りものにしていいんですよ。でも、綺麗な声っていうだけじゃ素人にもいっぱいいるじゃないですか。だから、すぐ声優になれるんですよ。すぐなれるから、みんな、なりたいんですよ。でも、そんな簡単なはずはないんです、この世界は -大塚周夫
『コンバット』では主人公のサンダース軍曹を演じたビック・モローが来日したこともあった。スタジオに激励にきて、リトル・ジョンを演じていた塩見竜介に「デカいから、お前はリトル・ジョンだろ!」と -羽佐間道夫
へそ曲がりなのかなあ、アテレコのいわゆる陰でやっているという匿名性と言いますか、無名性というものが好きなんですね。陰に隠れていかに職人的にやるか、その作業が一種のゲームのような、スポーツのような楽しみなんです -井上真樹夫
「こういうつもりで演じたはず」のものが、ほかの人にはどう見えるのかを知る。それはこの世界で生きていくために、絶対に必要だと思ったし、実際に僕の糧になっていると思います。だから、今でも(自分の出演作は)よっぽど観る術のないもの以外は全部観るようにしています -大塚明夫
これは自惚れになるかもしれませんが、私がデボラやバーグマンの吹替えに向いているなあと思うのは、昔メロドラマに多く出演したせいか、一度内に入れて自分の中で盛り上げていく芝居が好きだからなんですねえ -水城蘭子
ぼくの場合、シドニー・ポワチエとバート・レイノルズとビック・モローの3人は、ほとんどの作品をやっています。それだけに、自分自身とオーバーラップすることはあります。テレビの洋画劇場を見ていても、自分が出てきたような気がして、なんとなく面はゆい -田中信夫
『モンティ・パイソン』は聞いてる人は面白かっただろうけど、裏側は面白くもなんともない。あれも、イギリスで作ったものだから、イギリスという国の風土がよく分かっていないと理解できない内容のがあってね。山田さんにしても、悟朗さんにしてもすごく真面目にやってる -広川太一郎
『スパイのライセンス』は本当に楽しかった番組であり苦労もしました。泥棒の名人が監獄から出てきて、あれこれやるなんて考えられない、つまり一種のお伽話でしょう。そのせいか役の上でも台詞の上でも遊びが多くて、残念ながらぼくは遊びがない、融通性がない人間なもんで苦心しました -城達也
大体、ギャバンのセリフは聞き取りにくく、しかも台詞どおり喋っていない。これがカメラの前で演技をしているのではなく生活をしている証拠ですよ。映画翻訳家も頭を抱えるらしいが。しかも低くボソボソと喋るため、アテレコではその中に山場を作ってやるんです。その点が苦労しますね -森山周一郎
大事なのは足の筋力なんですね。下半身の筋力がないと、音がパァーッと出ないんです。だから、発声訓練をいくらやったってダメなんですよ。身体を鍛えなきゃダメなんです。筋力を鍛えておかなかったら、声は出ないんですよ -青野武
あの作品(『ドラゴン・キングダム』)は、石丸さんと一緒にやらせてもらって。ふたりとも慣れているし、お互い知っているから「じゃあ、テストなしでやりますか」って。そこでも僕と石丸さんでは掛け声の出し方が違っているなっていうのが印象に残っているんだよね。-池田秀一
『バイオニック・ジェミー』では演出家とプロデューサーの方から「画面に合わせることはしないでくれ、あなたのキャラクターで画面を自分の方に引っ張るようにして、多少セリフが余ろうが短くなろうが、そんなことは気にせずあなたの芝居でやってくれ」と言われたんです -田島令子
映画ファンの方々からTV局なりに、なぜカットしたとか抗議の電話がありますが、これは僕に言わせれば、ちょっとお怒りになるのが無理なのでは、と思いますね。それだったら映画館でご覧下さい、TVはそれと似たものを日本語版にしてしかも無料で提供しているだけだと言いたいです -家弓家正
民族性が各々にあり、感情の表現が異なりますので納得のいかない事もあります。そんな場合、アテレコの宿命とでも言いましょうか、アテる相手の芝居に合わせます。でも持ち役になったからなのか、だから持ち役になれたのか分かりませんが、バーグマンやデボラの吹替でそんな事はありません -水城蘭子

