2026年はプラハと京都の姉妹都市30周年ということで、演奏会をさせていただきました。その時に演奏した自作曲"2本のフルートとピアノのための「饗」"。初演後に色々と書き直し、ようやく楽譜と音源が完成したので公開しました。(store.piascore.com/scores/44…)
演奏会のプログラムノートに書けなかったので、ここで少し解説を。「饗」というタイトルには「もてなす」という意味があります。京都市とプラハの30周年という友好関係を祝うための饗宴としての音楽として作りました。数年前の東京オリンピックで「おもてなし」という言葉が流行りましたが、日本の四季の情景を音楽を通じて聴いた人に感じてほしいという想いも込めています。
1楽章のタイトルは「夏の今日」。夏の眩しい日差しの中、子供が元気に走り回る様子を思い描いています。
2楽章「秋の京」。私が京都市立芸術大学を卒業後に留学し、数年後久しぶりに京都を訪れた際に旧友達と東福寺の紅葉を観に行った時のことを思い出して書きました。
3楽章は「冬の鏡」。氷の上に逆さまの世界が映っている様子を描きました。
4楽章は「春の響」。去年の春に嵐山や背割堤の桜を見たのが強く印象に残っており、桜の花びらが舞う様子を描きたいと思い書きました。
旅の話。演奏旅行にでかけると素晴らしい事もたくさんあるが、同時に理不尽な出来事にも遭遇する。今回のパリ滞在も、前回と同じホテルだった。このホテルは入り口から客室まで、とにかく壁が視覚的に主張してくる。そんなホテルで朝食をとっていたところ、セキュリティーのおっちゃんが来てコップを指さしながらフランス語で何やら言ってきた。身ぶりから察すると、どうやら僕がコップを3つも使っているのが駄目だと注意しているようである。フランス人は食事の際にコーヒーと紅茶を一緒に飲むと聞いたことがあったので流儀に忠実なつもりの僕は少々面食らったが、「オゥ、ソーリー」と言ったらどこかへ行ってしまった。
前回の滞在時にもこのホテルで、お皿はトレーに置いて食べろと注意されたのでしっかりとトレーに載せて食べていたのだが、まさかコップの数を注意されるとは思わなかった。「マナー」とはもともとフランス語のmanièreという言葉であるが、次回の滞在時までにしっかりとマナーを学びこのホテルの朝食に臨みたいと思う。
チェコフィルの新しいCDが発売になりました。ショスタコーヴィチの交響曲第5&7番。どうぞご視聴くださいませ。
ceskafilharmonie.cz/e-shop/s…
出演情報を更新しました。数えてみたところ、今年の演奏会の出演回数は65回。これは演奏専門の音楽家にしては普通なのか、少ないのか。もっとやろうと思えばやれないことも無いと思う反面、育児がえらい大変なのでこんなものかと。子供達がもう少し大きくなって落ち着いてきた頃に色々活動出来るよう、今はその準備期間だと割り切っている。
今日の演奏会のマーラー「大地の歌」から抜粋。円錐管ベームフルート(ルイロット、グラナディラ製)と、現代のフルートと同じ円筒管(マンケ頭部管+ブルゲローニ、共にグラナディラ製)の録音。後半で円錐から円筒に楽器を持ち替えての演奏。ポータブルレコーダーを置いた位置が照明に近く、若干ノイズが気になるが音色の違いがわかるかもしれない。個人的には円錐管の音色の方が良く、他の団員、特に弦楽器に好評だったがフルートの同僚達は円筒管の方が良いらしい。まだ吹き始めて1週間なのでこれから色々と試してみたい。マーラーの生まれる前の1850年代に造られたとはとても思えない、ポテンシャルのとても高い楽器であると思った。
一日目の演奏会が終了。円錐管ロットで臨んだマーラーの大地の歌。第3オクターブのA,As,B,Hの音程が安定しないため、直前に運指を変更した。いままで他の円錐管フルートを吹いてきた経験が土壇場で役に立ったが、かなり集中して演奏した。この楽器が届いてから1週間も経っていないのと、1850年代に造られた古い楽器なので、万が一のトラブルに備えモダンフルートも用意して演奏した。時々この楽器に持ち替えたくなる気持ちをぐっと堪え、円錐管で吹き通した。個人的には良く健闘したと思いたい。リハーサルと本番で演奏するのは全く違うし、このような挑戦はいつか結果が出ると信じている。
今日は演奏会二日目。昨日の疲れを取り臨みたい。
ルイ・ロットのDorus G#キー。ベーム式フルートは元々オープンGだったが、運指が難しかったためルイ・ドリュスという人がこのキーを開発した。2つのバネの反作用によりメガネリングのGキーを押さえたときにキーが閉じ、G#キーを押さえると開く。現代のクローズドGキーの穴が一つが無い分、音響的には有利であるとされる。しかし、反作用のバネが2つあるためか、GキーのバネはG#キーよりもかなり強い。そのため、特にG-G#トリルをする時に左手薬指に強力な力が必要になり、不明瞭なトリルになりやすい。また、バネの微調整は相当困難なため、次第に現代には一般的なクローズドG#キーに置き換わっていったのだろう。
ちなみにルイ・ドリュスはタファネルの先生である。それまでのやたらと華麗な技巧に走っていた当時のフルート界に一石を投じ、古典的な音楽を重視した。フランスにベーム式フルートを広めるうえで最も重要な役割を果たした人物である。





















